
新堂冬樹の小説
意識不明になった父親の入院費用を稼ぐため、キャバクラのボーイになった主人公が、いろいろな人と出会い、次第に心を真っ黒に染めながら出世していく物語。
この小説の続編に「女王蘭」、「帝王星」などがある。
黒い太陽以外の新堂冬樹の小説で私のお勧めは「溝鼠(どぶねずみ)」。常識も倫理も正義も道徳も全く通用しない、頭の狂った登場人物がたくさん出てくる。黒い太陽とも関わりのある小説である。
黒い太陽は10年前にドラマ化された。

このドラマをみて、自分はぬるすぎるから、いますぐ行動しなければと思った。
そして実際に起業した。
先日、DVDを入手。久しぶりにみたが、何度見ても面白い。
キャバクラの店長になった主人公(立花)に、宮川(圧倒的権力をもったお偉いさん)が言ったセリフ。
「立花、寿司が喰いたいのう。寿司じゃよ寿司。」
寿司というのは女を用意しとろいうことである。
「泥水をのめ、泥水を」
お前はまだ経験の薄い子供だから、自ら汚れろといっている。
「利息分はワシのもんじゃ」
立花は宮川からの借金をするため、担保に彼女を差し出した。
(DVDは貸出可能です。Youtubeにはないので、検索しない方がいいです。これとは関係ない気持ち悪い映画が出てきます。)
ドラマ版黒い太陽にこんなシーンがある。
元雇い主の藤堂(風俗王)に対して牙を剥いた主人公が、元雇い主に対して放った言葉。
「藤堂、俺から目を離すなよ。」
かっこいいと思った。
言ってみたいとおもった。
10年前、起業して絶好調で、サラリーマンが届かないような月収を稼ぎ、調子に乗っていた。
その時、若い子達に向けて実際に言い放った自分のセリフ。
「お前ら、俺みたいになりたいか?」
「はい、なりたいです。」
「だったら俺から目を離すなよ。」
絶好調は、ほんの一瞬で終わった。そこから先、調子が良かったことは一度もない。
今は、「調子にのって本当にすいませんでした。」としか思っていない。