どんなルックスも、どんな高級所有物も、命を燃やす人との美しさとは比較にならない。
山梨簿記学院の受講者様に仙人がいらっしゃる。山奥に車を停め、毎日勉強されている。
朝出掛け、暗くなる前に帰る。それまで淡々と勉強する。
目的のためなら食費も節約する。
シルバーウイークなど一切関係なし。
「怪しい人がいる」と、警察に二回通報されたらしいが、意に介さない。
仙人は美しいと思う。
本日は差し入れを持って、仙人の処におじゃますることにした。
自分は世界征服の目標を掲げている割に、かなり怠慢である。
仙人の山にいけば、気持ちを入れ換えるきっかけになるかと思った。

静かである。勉強以外やることがない。
仙人が相当なレベルになったのもうなずける。
しかし、毎日山奥の車のなかにいると、不審者とおもわれても仕方ない状況である。聞いてみた。
「通りがかった人に話しかけられたりしないんですか?」
「いや全く。もし逆の立場だったら怖くて話しかけないですよ。」
さて、山奥でいろいろ考えてみた。
「一体どうしたいのか、そのために必要なことはなにか。」
山は静かであり、かなり集中できた。山頂からだと、自分のポジションもよく見えてくる。
また、山は本能を甦らせてくれる効果がある。
メンタルケアにも良いだろう。
「熊に注意」の張り紙が気になるが。