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どうでもいいブログ-会計研修室の放課後::貧困層5

貧困層5

以前、職業訓練の生徒さんから、こんな話を聞いた。
記憶は曖昧だが、こんな内容だった。

私は就職氷河期にぶつかり、派遣で働かざるを得なかった。
そして派遣切りに会った。
その時、送別会で、正規雇用の先輩たちにこんな内容の事を言われた。
「きちんと正規雇用で働かないから解雇されるんだ」
私は反論した。
「私は好きで派遣していたんじゃないんだ。私はこれしか仕事がなかったんだ。」

バブルが崩壊し、1993年~2005年は、就職氷河期と名付けられた。
この時代に就職活動をした世代は、現在も非正規雇用が多い。

彼(彼女)ら(以下彼ら)は、ロストジェネレーションなどと呼ばれる。朝日新聞がつけた名前である。就職活動の時期に希望の就職できず、現代でも派遣社員やフリーターといった不安定な働き方を余儀なくされた者が多い世代を指す。

正規雇用社員の生涯賃金は平均約二億円、対して非正規雇用社員等の生涯賃金平均は7千万円程度といわれている。(ただ、地方中小企業の正規雇用は、非正規雇用とさほど差がない場合が多い)

彼らの中には以下のような考えを持つ人もいる。

(省略)
私たちだって右肩上がりの時代ならば「今はフリーターでも、いつか正社員になって妻や子どもを養う」という夢ぐらいは持てたのかもしれない。
だが、給料が増えず、平和なままの流動性なき今の日本では、我々はいつまでたっても貧困から抜け出すことはできない。
我々が低賃金労働者として社会に放り出されてから、もう10年以上たった。
それなのに社会は我々に何も救いの手を差し出さないどころか、GDPを押し下げるだの、やる気がないだのと、罵倒を続けている。
平和が続けばこのような不平等が一生続くのだ。
そうした閉塞状態を打破し、流動性を生み出してくれるかもしれない何か――。

その可能性のひとつが、戦争である。
識者たちは若者の右傾化を、「大いなるものと結びつきたい欲求」であり、現実逃避の表れであると結論づける。
しかし、私たちが欲しているのは、そのような非現実的なものではない。
私のような経済弱者は、窮状から脱し、社会的な地位を得て、家族を養い、一人前の人間としての尊厳を得られる可能性のある社会を求めているのだ。
それはとても現実的な、そして人間として当然の欲求だろう。

そのために、戦争という手段を用いなければならないのは、非常に残念なことではあるが、そうした手段を望まなければならないほどに、社会の格差は大きく、かつ揺るぎないものになっているのだ。

戦争は悲惨だ。
しかし、その悲惨さは「持つ者が何かを失う」から悲惨なのであって、「何も持っていない」私からすれば、戦争は悲惨でも何でもなく、むしろチャンスとなる。
もちろん、戦時においては前線や銃後を問わず、死と隣り合わせではあるものの、それは国民のほぼすべてが同様である。
国民全体に降り注ぐ生と死のギャンブルである戦争状態と、一部の弱者だけが屈辱を味わう平和。
そのどちらが弱者にとって望ましいかなど、考えるまでもない。
持つ者は戦争によってそれを失うことにおびえを抱くが、持たざる者は戦争によって何かを得ることを望む。
持つ者と持たざる者がハッキリと分かれ、そこに流動性が存在しない格差社会においては、もはや戦争はタブーではない。

それどころか、反戦平和というスローガンこそが、我々を一生貧困の中に押しとどめる「持つ者」の傲慢であると受け止められるのである。

(中略)

それでもやはり見ず知らずの他人であっても、我々を見下す連中であっても、彼らが戦争に苦しむさまを見たくはない。
だからこうして訴えている。私を戦争に向かわせないでほしいと。
しかし、それでも社会が平和の名の下に、私に対して弱者であることを強制しつづけ、私のささやかな幸せへの願望を嘲笑いつづけるのだとしたら、
そのとき私は、「国民全員が苦しみつづける平等」を望み、それを選択することに躊躇しないだろう。

赤木智弘 朝日新聞社 「論座 2007年1月号」http://t-job.vis.ne.jp/base/maruyama.html

このような考え方に違和感を持つ人は多いだろう。
しかし、彼らは現実にそういう考えを持ってしまった。
彼らを、「ダメ人間」の一言で片づけるわけにはいかない。

いわゆる「いいところ」に正規雇用が出来た同世代またはその上の世代の人間は、家庭を持ち、子供を養い、安定した収入と福利厚生まで得ている。
一方自身は非正規で低賃金、それすらいつまで続くかわからない不安定な状態、生活が四苦八苦、年金も払えない、家族を養うなど夢物語。

お金で幸せが買えるとは限らないが、お金がみじめさや不幸を減らし、幸せを運ぶ確率を上げてくれる効果を持つことは間違いない。お金がないと、みじめな思いをしたり、不幸になる確率は高くなる。当然、気持ちに余裕が生まれにくい。

では、彼らはいったいどうすればよかったのだろうか。

(貧困がなくなるまで多分)つづく
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