マーケティングは販売テクニックとは違う、顧客の事を考えてとかなんとかいう講義。
それはさておき、宿は新宿のやや高層ホテル。
そこに泊まった理由は、このクラスの割にはだいぶ安かったから。
晩飯はどうするかという話になる。
「宿泊客は割引料金だから、行かないと勿体無い。」
「今後のデートコースに使える。まずは下見だ。」
「そういう店に慣れるべき。おどおどしていたらもてない。」
「この投資額は費用ではなく、繰延資産である(2級以上)。」
とかいう理由で、割安に済まそうか最後まで迷ったものの、ホテル内の新宿の夜景が見れるおしゃれなレストランへ。
ホテル最上階。ワインが陳列されており、見るからにおしゃれ。
「お客様何名様でいらっしゃいますか?」
「二名です。」
「男二名です」と、男を追加しようかと一瞬迷ったが、無駄なことは避ける。
「かしこまりました。ご案内いたします。」
席に案内される。
新宿の夜景が見れる、綺麗な席。
で、開口一番、彼の口から出た言葉。
「いや~おれ、これきついです。」
無理もない。
普段他人の視線など気にしないこの私ですら、これはちょっと嫌だなと思うほど、まわりはカップルだらけ。しかもカップル記念日プランとかいうのがあるらしく、おしゃれなメッセージ付ケーキみたいなのが次々に運ばれていた。ほとんどがそれ。端から端まで、記念日ケーキ付のカップルがずらっと並んでいる。
そこに男二人。
チェックのシャツにズボン・メガネ・色白。
お互い世界征服の野望はあるも、格好だけみると単なる秋葉系の男二人。
秋葉系で収まるならまだいい。場合によっては「ヲタクホモ二名」なんて思われそうな状態だ。
ディナーはコース料理のため、出てくるのが遅い。
しかし、いまさら退店するのもどうかと。
こうなると、もう開き直るしかない。

「この料理、とってもおいしいですね。」
「いやーとっても素敵な夜景ですねー。」
「この平和を守るため、自由を守るため、みんな仕事で戦ってるんですよ。」・・・
しかし、いろいろ想像する。
「お前等、このあとどうするんだ?」と。