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どうでもいいブログ-会計研修室の放課後::みい太、家出する。

みい太、家出する。

年末、家族から連絡が入る。
「みいたんが3日間帰ってこない。」
不安が頭をよぎった。

すぐに家に戻る。
周辺を探す。
見つからない。

道路を中心に探す。
いない。

交通事故でなければ救いはある。
死んでなければどこかに飼われているかもしれない。

かわいいから誘拐されたかもしれない。
それならまだ良い。
今頃どこかの家でおいしいものを食べている。

もしかしたら事故にあい、加害者が病院に連れて行ったかもしれない。
おそらくみい太が飛び出したはずだ。
それならば許す。
というかみい太が悪い。
みい太はそこで養生している。

「どこの家の猫ちゃんだろうね?」
みい太は優しい家庭に守られている。
だが、そこの家の子供がみい太を「飼いたい」と言い出したらどうなる。
いまならいいが、三年飼われた後ならどうなる?
妄想の上に妄想が膨らむ。

とりあえず、山梨県の迷い猫サイトに連絡する。⇒ココ
同じ悩みを抱えた方がたくさんいらっしゃる。

もっとも、リスクは覚悟の上で外に出している。
いまさら家猫にはできない。家で安全に長く生きるより、危険だが自由に動き回らしてやろうと判断した。

安心材料もあった。こんなこともあろうかと、みい太にはマイクロチップが埋め込まれている。保健所に連れていかれたら保健所から電話連絡が来るようになっている。その点で殺処分はないから安心できる。

もし仮にマイクロチップがなかったらどうなるだろうか。
「似たような猫を保護しています」と保健所から連絡がある。そして保険所に行く。

みい太だったら、感動の再開をする。
だが違った場合、その似たような猫は殺処分になるだろう。そんなシーンを何回も経験することになるのだろうか。

ドストエフスキーは一度死刑判決を受け、執行直前に恩赦を受ける。それは皇帝の慈悲を示すためのあらかじめ決められた芝居だった。そのドストエフスキーの小説「罪と罰」は、途中から運命の物語と、意志の物語が併存する。だがその妄想上の猫は、意志など関係なく運命のみで行き先が決まってしまう。これこそが彼の言いたい「神の黙過」だ。

ところで自分の人生はどうだ。神の黙過などかまわない。最初から神に頼るつもりなど毛頭ない。だが、大きな運命の流れのなかでどれだけ意志を示せているのか。というか意思で生きる必要はあるのか。それよりみい太はどこだ。

年が明ける。
おめでたい気分などまったくない。
しかも体調不良でずっと寝込む。
気分が重い。

年が明け、体調が回復し、みい太を探しに行く。
いない。

雪が降る。
寒さで震えているかもしれない。
おなかをすかせているかも知れない。

もう一度抱きしめてやりたい。
あのモコモコした顔に俺の汚い顔をつけてスリスリしたい。
だが、どうにもならなかった。

サイトで似たような話を調べる。
「一ヶ月後に帰ってきた。」
「意外と近くにいる。」
「家の前に猫のにおいのついたトイレのチップを撒いておくといい。」
「うちの親父が言っていたよ。『猫は一生に1度は旅にでるもんだ』。」
最後の言葉はなんかかっこよかった。

時間が経ち、諦める気持ちも出てきた。
もしかしたらもうこの世にはいないかもしれない。
せめて死ぬときは楽に死んでくれたかな。

いやまて、俺はこんなレベルなのか。
猫ごときに心を動かされているようでは一人前の経営者になれない。
そうだ、俺は修羅に入る。
これから仕事の鬼になる。
運命など自分で創る。
そう、俺自体が俺の神なのだ。


ある日、家から電話が入る。
「みい太が帰ってきたよ!」

ありがとう運命よ。
速攻で実家に戻る。
みい太がいた。

20150102501.JPG

一体どこに行っていたのだろう。
3週間もの間一体どうしていたのだろうか。
だが、今はそれはいい。

抱きしめた。
スリスリした。
ゴロゴロした。
幸せだった。
この瞬間は神を肯定してもいいと思った。

2015012503.jpg

みい太はだいぶ痩せていた。
そして少し臭かった。
しかし、どこに行っていたのだろうか。

どこに行っていたのか、何があったのか、もしカメラついていたら再生してみたい。

2015012502.jpg
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