「会計」が、「経営」にっとって有益なツールである事は、優秀な経営者・ビジネスマンなら誰もが知っている。
だが、山梨の中小企業の経営者の会計力はどうだろうか。あまりいい話は聞かない。
経営者が会計に精通していれば、倒産しなくても良かった企業はたくさんあるはずである。
また、もっと成長できた企業もたくさんあるはずである。
山梨の会計事務所にも問題がある。
記帳や納税だけすればいいと思っているようなところもある。
税務署あがりの税理士に、会計力がない場合も多い。
ひどい所になると、仕事は職員に任せきりで、税理士が昼間から遊んでいる。
会計は記帳や納税をすればいいというものではない。
記帳によって得られた会計数字は、会社の実態を正しく反映する情報である。その情報を利用して、改善したり未来に向けて計画を立てる事に非常に役に立つ。
会計数字を利用しないならば、会計は「税務署や銀行に提出するだけの面倒な書類」に成り下がってしまう。
京セラ・KDDIの創業者・現JAL会長でいらっしゃる、稲盛和夫さんも会計を経営の中枢においている。
山梨出身のブックオフ創業者、坂本孝さんも稲盛和夫さんの経営哲学を実践している。
稲盛会計学について ⇒ コチラ
そのまま転載
私は27歳の時に京セラを創業し、ゼロから経営を学んでいく過程で、会計は「現代経営の中枢」をなすものであると考えるようになった。企業を長期的に発展させるためには、企業活動の実態が正確に把握されなければならないことに気づいたのである。
真剣に経営に取り組もうとするなら、経営に関する数字は、すべていかなる操作も加えられない経営の実態をあらわす唯一の真実を示すものでなければならない。損益計算書や貸借対照表のすべての科目とその細目の数字も、誰から見ても、ひとつの間違いもない完璧なもの、会社の実態を100パーセント正しくあらわすものでなければならない。なぜなら、これらの数字は、飛行機の操縦席にあるコックピットのメーターの数値に匹敵するものであり、経営者をして目標にまで正しく到達させるためのインジケーターの役割を果たさなくてはならないからである。
このような考え方にもとづき、私は経理部に経営資料を作成してもらい、その数字をもとに経営してきた。その結果、京セラや第二電電もバブル経済に踊らされることなく堅実に発展を続けている。今振り返ってみると京セラ創業時、会計というものをまったく知らなかったため、それを自分で学び、「人間として正しいことを追求していく」という私自身の経営哲学をベースに「会計の原則」を確立できたことが、その要因であると思える。
このような経営のための会計学を実践していくために、私は7つの会計の基本原則をまとめ、それを実践してきた。
1.キャッシュベース経営の原則
「キャッシュベースの経営」というのは、「お金の動き」に焦点をあてて、物事の本質にもとづいたシンプルな経営を行うことを意味している。会計はキャッシュベースで経営をするためのものでなければならないというのが、私の会計学の第一の基本原則である。
2.一対一対応の原則
「一対一の対応」の原則は、会計処理の方法として厳しく守られなければならないだけではなく、企業とその中で働く人間の行動を律し、内から見ても外から見ても不正のないガラス張りの経営を実現するために重要な役割を担うものである。
(※一つの取引で、必ず受領印一つもらい、取引内容を曖昧にしない事を指しているのだと思われます。住吉)
3.筋肉質経営の原則
企業は永遠に発展し続けなければならない。そのためには、企業を人間の体に例えるなら、体の隅々にまで血が通い、つねに活性化されている引き締まった肉体を持つものにしなければならない。つまり、経営者はぜい肉のまったくない筋肉質の企業をめざすべきである。
4.完璧主義の原則
完璧主義とは、曖昧さや妥協を許すことなく、あらゆる仕事を細部にわたって完璧に仕上げることをめざすものであり、経営においてとるべき基本的な態度である。
5.ダブルチェックの原則
「ダブルチェック」とは、経理のみならず、あらゆる分野で、人と組織の健全性を守る「保護メカニズム」である。
6.採算向上の原則
企業の会計にとって自社の採算向上を支えることは、もっとも重大な使命である。
採算を向上させていくためには、売上を増やしていくことはもちろんであるが、それと同時に製品やサービスの付加価値を高めていかなければならない。付加価値を向上させるということは、市場において価値の高いものをより少ない資源でつくり出すということである。また、それは、事業活動により従業員の生活を向上させていくと同時に社会の発展に貢献するための前提条件となるものでもある。
7.ガラス張り経営の原則
私は京セラを創業以来、心をベースにした経営、つまり社員との信頼関係にもとづいた経営を心掛けてきた。中小企業であった京セラが厳しい競争に打ち勝っていくためには経営者と社員が固い絆で結ばれ、団結していることが不可欠だったのである。そのような信頼関係を構築するためには、会社の置かれている状況を包み隠さず社員に伝える必要がある。そう考え、私はガラス張りの経営を行い、全社員が京セラの経営状況がわかるようにしてきた。(『稲盛和夫の実学』より抜粋)
山梨の会計を変える。
会計が変われば経営が変わる。
経営が変われば、働く人たちの幸せも増えるだろう。
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