非正規雇用が増え、一生懸命働いているのに生活が四苦八苦という人は多い。大企業・公務員の場合、手厚い社会保障に加え、退職一時金は2500~3000万円、それに老齢年金がある。一方非正規雇用の場合、退職金はない。貯金もたいしてできない。国民年金が払えない場合も多い。
非正規雇用労働者は真面目に働いていないのか?
決してそうではない。
むしろ低賃金のほうがきつい仕事だったりする。彼らは労働に見合った対価をもらっていないのだ。
きちんと働いているのに、このような低賃金で生活せざるを得ない非正規雇用の方が増えると、日本社会自体がますます衰退する。理由はこうだ。
企業があげた売上から、売上原価を引くと、粗利益(売上総利益)が出る。
さらにそこから各種の費用がかかる。その中で、大きな割合を占めるのが人件費である。
低賃金での非正規雇用は、この人件費削減に大いに役立つ。
低賃金労働者を雇うことにより、一部の特権階級に対する手厚い社会保障・給料・退職金はきちんと確保される。さらに税金への支払いへと充てられ、残りが株や債権を廻している者へと充てられる。
これらを捻出するために、人件費を抑える、つまり低賃金の非正規雇用が必要なのだ。
時給7~8百円では、まじめに働いてもギリギリの生活が精一杯である。
金銭的な不安は、精神的な不安に直結する。
一部の特権階級にいるものはこう言うだろう。
「努力」してこなかったからそうなるんだ。
言葉だけを見れば、確かにその通りである。
マルクスの思想から始まった共産主義は、20世紀最大の失敗だった。
努力をしたものが富を得るシステムは必要である。
しかし、その「努力」とはいったいなんであろうか?
例えば、中学・高校とペーパー試験で上位になり、より高い偏差値の大学へ進み、有名企業へ就職し、そのままその企業奉仕する努力。
現代においてこの努力には疑問がある。高度経済成長時代はこの努力が終身雇用・年功序列に結びつき、それが日本経済の武器だった。つまり、この努力が日本を支えてきた。しかし、現代でこのような事を目指す者が増えては国際競争から取り残され、日本社会は衰退するだけである。
例えば、余裕資金を株や債権に廻し、資産運用する努力。
これは違う。彼らは、低賃金労働者が生み出した利益をお金の力で間接的に掠め取っているだけである。社会のために投資するバフェットと彼らは、その目的も役割もまったく違う。このような努力をする者たちが増えても、社会にダイナミズムや雇用は生まれない。こういった事が成功のための「努力」であってはならない。
思うに、仕事のクオリティーを高め、会社・社会に対して結果を出した者や、必要な労働を提供したものに、正当な報酬を与えるのが健全で持続発展できる社会である。
その「努力」をすれば、それなりの報酬が与えられる社会。個々人がおおきなエネルギーを生み出す社会である。もちろん、その上で、弱者保護のセーフティネットを張るべきである。
さて、どうあるべきだを偉そうに語っても、何も変わらない。おっさん手前(あくまでもまだおっさんではない)の36歳がこんな事を語っても、「中学生の主張」みたいな感じで、ただ恥ずかしいだけである。
自分にできることは何か?
おもうに、会社を大きくして、多くの雇用を生み出し、そこで働くスタッフに「正当な報酬」を払うことではないかと思う。社会にとって有益な、意味のある努力の分だけ報酬が支払われる会社を創る。同じ意識をもった経営者達と共に、それが社会に拡がっていく。あるいはそういう意識を持った方がこれから活躍できるように何らかのサポートする会社を創ることではないかと思う。
根性なしが、会社設立まではたどり着いた。
とりあずできる事、いまからもう1時間だけ仕事をしよう。決意を込めて。
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