約20年前、そう言って、彼女たちから子猫を引き取った。
高校の玄関に仔猫達が捨てられていた。
部活の後輩の女の子達が涙を流しながら、かわいそうに見ていた。
生まれて間もない子猫数匹。
雨に打たれ、猫とは思えないような状態だった。
すぐに死んでしまうに違いない。
勝手にそう判断した。
「死ぬところ見たくないだろ?」
彼女たちから猫を放し、物陰に置いておいた。
学校帰り、仔猫達は生きていた。
仕方なく牛乳を与えたてみたが、翌日死んでいた。
もしかしたら助けられたのではないだろうか。
動物病院へ連れて行く費用が払えないから、
”そういうこと”にしてしまっただけではないだろうか。
俺が殺したのではないだろうか。
何度も思い出した。
思い出す度に、自分を正当化する理由を考えた。
あれから20年近くたった
2012年 8月1日早朝
声の主に近づく。
へその緒がついた仔猫
生後1~3日だろうか。
残り少ない体力を使い、時々ミャーミャーとなく。
こんな小さい仔猫が母親なしで助かるわけがない。
俺にはどうにもできない。
お前の叫び声を聴きたくないんだ
だから、早く死んでくれ。
早く死んでその声を出さないでくれ。
呪うなら、お前の運命を呪え。
俺じゃない。お前の運命を呪え。
少しの時間そう思った。
しかし、あの時の後悔が頭をよぎった。
やれることはやってみようと思った。
サイトで調べる。
もしかしたら助かるかもしれない。
早朝のため、我がホームグラウンド「トライアル」へ
猫用哺乳瓶・猫用ミルクはあった
助かる可能性が出てきた
仔猫はミルクを飲んだ。

保護6日目写真